La déconstruction des idoles ──アイドルの脱紺築

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感想日記 第二週

2004/5/03(月) 「DO MY BEST」と「がんばっちゃえ!」の類似点

さいたま、とか、ミニモニ。ラストとか、はたまた「なちまりパペマペ@お台場」とかいう文字をネット上で目にするたびに、なんだか一人取り残されたような気分になっている痛井ッ亭。です。こんばんは。みんな盛り上がってるなあ……いいなー

何故だか、「浪漫 MY DEAR BOY」の一節がぐるぐると頭の中を駆け巡ります。

♪MY DEAR BOY 現場に真実はある さあ行こう……

現場に縁のないおいらは、どうせどうせ、真実からは遠く隔てられているのです……分かってはいるのですが……あー、現場行きてえよー、くそー!
と、グチったところで、事態は一向に改善する訳もなく。
いいさ、いいさ、昼ドラの現場は自宅の居間にあるのさ(TVとも言う)。だから、おいらだって、昼ドラ見てるときは現場系なのさ……心の中では! ゆうちゃんがほーむめーかーに出てさえいれば、おいらは強く生きていけるんだ! 強がってなんかないぞ!

とはいえ、黄金週間中は家庭サービスが活動の中心ですから、今日の「ほーむめーかー」だって、実はまだ見てません。とほほ。何が現場系だっつう話だよ。

……とボヤいていればいくらでも、だらだらと続けることはできるものの、そんな駄文は誰も読みたくないうえに、自分も書きたくないので、ちょっとは内容らしきコトを。うん。前向きだな、自分。これを「山路いずみ効果」と名付けて学会に発表しよう。何学会?

*       *        *

「DO MY BEST」と「がんばっちゃえ!」は似ていない、と前に書いたのですが、類似点がありました。
それはタイトルになっている「DO MY BEST」「がんばっちゃえ!」という歌詞が、どちらもサビ前の導入句として利用されているということ。曲の中での位置付けが同じなんですね。それは確かに類似した印象を与えます。サビに向かう流れがそっくりに感じられるという点で。
まあ、言いたかったことはこれだけで、……内容というほどの内容ではなかったですね、ごめんなさい。

2004/5/04(火) 愛の劇場「ほーむめーかー」#6 

昨日のほーむめーかー#6は、第二話の導入編ということで、大きな進展はなく、細かい伏線やら後で活きてくる材料を方々に散りばめながら、基本的にはゆうちゃんの魅力を前面に出してコミカルに進行しました。

コウスケの父、つまりお義父さんが泊まりに来るんですが……出張と言っていますがどうも怪しいって感じで。
そんな事情は知らないいずみはお義父さんを精一杯もてなそうと友達に料理を作って貰いますっ!
思いっきり見栄張っちゃってます。(笑)
でも、二日目には、大酒のみで、料理が下手で、朝寝坊で、という素晴らしい嫁であることがバレちゃうんですけどね。

「家族なんだから無理しないで気楽に行こうよ」と言ってくれたお義父さん(斉木しげる!)は、懐の深い人ですが、いずみのヒジキ攻撃にはさすがに辟易した様子ですね。

そして、飲みだすと深夜1時になっても終らず、熱く語り続けるゆうちゃんいずみです。
しかも、ついには、「わたしには秘密がある。前世はくの一だった。……」などと言いはじめる始末。おまけに次の朝には、そんなことを喋ったことすら覚えていない、というタチの悪い酔っぱらいぶりです。最高。

今週の話は、先週知合いになった近所の主婦西村幸子さんを軸に、「嫁と姑」をテーマにしていくらしいです。
同時に、下町に昔から住む住民と、新しく出来た超高層マンションの新住民との対立、というテーマも絡めていくようです。これも、東京なんかじゃ、結構切実な問題なんでしょうね。

ダンナのコウスケのほうも、新プロジェクト初のクライアントのために、二世帯住宅を設計することに。二世帯住宅と言えば、嫁と姑の意見がなかなか一致しない、という難しさがあるようで。
コウスケは、お互いの意見を取り入れて、両方が満足できる家を作りたい、と燃えていますが、こちらも上手くいくのでしょうか。
考えてみれば、建築士という仕事もある意味「ほーむめーかー」ですよね。出来過ぎ感のある設定ですけど。でも、こういう無駄なところのない、ぎっしり感は悪くないと思います。

今週も楽しませてね、ゆうちゃん!

2004/5/05(水) 愛の劇場「ほーむめーかー」#7 

出張と偽って息子の嫁のところに転がり込んだお義父さん。朝、背広を着込んで出掛けるものの、行くあてなどなく公園で暇を潰します。「めぞん一刻」の五代くんですか?
そこに、忘れ物の書類を届けようとしたいずみが通りかかり。
で、直接声が聞こえそうな距離で携帯電話のやり取り。
お義父さんは、公園の遊具の陰に身を潜め、いずみに見つからないようにアクロバティックな姿勢を取りつつ移動しながら会話。
ここのシーケンスは、古典的とはいえコメディとして実に秀逸。
斉木しげるさん、いい仕事してるな、と思いました。

で、結局、コウスケからのメールで、家出であることがバレてしまうのですが、……家出して、嫁の家、しかも、息子が長期出張で、孫と二人で留守を守っている嫁のところに転がり込む義父って、ちょっとどうなんでしょうかね。ま、いいや、それは。

バレたからには出掛けるフリをしなくていいお義父さん、自由時間を有効活用しようと、料理に挑戦。そしたら、これがまあセンスがよくって、専業主婦暦5年のいずみのメンツ丸潰れ。
しかも、夕飯の当番はお義父さんが自らかって出るという仕儀に。
うーん。いずみの作るへんてこりんな食事は食べたくないという気持ちも分からないではないですが、そこまで嫁のプライドをズタズタに引き裂いちゃっていいものでしょうかね?
でも。
そこで黙って負けてはいないいずみです。
あり得ないことに、なんといずみが早起きして、気合いの入った朝食を作るのです。
勝負となると目の色が違ういずみです。
「お義父さんには絶対負けられない」んです。
可愛いです。ゆうちゃんみたい(笑)。

でも、いずみが「これだけは誰にも負けない」という卵焼きを食べたあと、お義父さんがお茶をグビグビ飲むのは一体どうしたことでしょうか?
いずみの味覚はいいとして、大輔の味覚が正常に発達できるかどうかが、ちょっと心配です。

……なんて言ってるうちに、今日は週の中日ですから、いよいよ第二話も本論に入ると思われます。楽しみです。

*       *        *

(他サイト観察日誌)
うちのサイトはご覧のとおり、現在「ほーむめーかー」一色なんですけど。
五期推し界隈では、こんなのウチだけみたい……淋しいな。モーヲタテキサイ界全体ではどうなんだろ? 激しく推してる、というサイトはあるのかな?
モーヲタさんは、全体的には未婚率高そうだし、子育てとか、家庭の諸問題を身近に感じられる人が少ないんでしょうね、きっと。
多分、それが、いまいち「ほーむめーかー」がテキサイ界で盛り上がっていない原因ではないかと。いや、そうに違いない。
だって、ゆうちゃんはあんなに魅力的だし。脚本はよく出来てるし。演出は、ちょっと子供っぽい(安っぽい)遊びを多用するところが気になるけれど、それ以外では手堅く一定水準を維持しているし。ドラマに悪いところはないと思われます。
裕子サイト界隈ではどうなんでしょうか。盛り上がってますか? ほーむめーかー。くどいようですが、ゆうちゃん、頑張ってますからね。
ちょっと、普段見ないような中澤サイトも探ってみたいと思います。

急募!
ほーむめーかーを熱く語り合える人。何人でも!
「ここが熱いよ!」という情報をお持ちの方は、ぜひ御一報を!

2004/5/06(木) 愛の劇場「ほーむめーかー」#8 

ほーむめーかーという延命装置のおかげで、なんとか生き長らえている痛井ッ亭。です……なんていう個人的な悩みを匂わせる記述すら申し訳なく感じられるほど、素晴らしい出来の「ほーむめーかー」#8ですっ!
今日も熱く語りますよ、もちろん。

いやー、何が素晴らしいって、いずみとお義父さんが、酔いつぶれた西村五郎さんを送って、西村不動産に行き、そこで例のオニババアと対面するシーン!
これを名シーンと言わずして、なんと言うのでしょうか!
このシーンを最高のモノにするために、月、火、とじっくり時間をかけてエピソードを積み重ねていたと言ってもいいくらいです。

(あ、それと、飲みにいってなかなか帰ってこないお義父さんを連れ戻しに行って、「さあ帰りますよ!」とか言ってるのに、次のカットでは、じっくり腰を据えて盃を酌み交わしているいずみです。古典的なまでの、送り狼ならぬ迎え狼(?)ぶり。しかも、初対面というのに「五郎ちゃん、そのベスト、変な柄! どこで売ってるの?」ですからねー。最高。)

話をご対面シーンに戻して……こういう説話技法は、古くはシェークスピアやディケンズ、現代では、コメディの天才ビリー・ワイルダー、そしてその精神的な弟子である三谷幸喜などが得意とする古典的なコメディの精華と言っていいものです。脚本家:清水友佳子、頑張ってます。

このシーンの人物関係をおさらいしておきましょう。
山路義行(お義父さん)と、西村五郎(西村不動産社長、幸子さんのお義父さん)とは、飲み屋での飲み友達。
山路義行を、公園で見かけた西村信子(幸子さんのお義母さん)は、彼のことを変質者だと思っている。
そして、信子さんは、偶然公園でいずみと出会い、変質者のことを話している。さらに、先日訪ねてきたいずみが、幸子の知合いで、かつ、あの憎っくきマンションの住民であることを知った。それだけではなく、商売の邪魔までされて、いずみには不快感を感じている。

……大変複雑ですが、おおよそこのような状況の中、酔った五郎を、義行といずみが送ってくるのです。
それを出迎えた信子さんは、変質者が夫の飲み友達で、その変質者が、「その変質者、こんど見つけたらとっ捕まえてやります」と言っていたいずみの義父であること、さらに、ということはつまり夫が憎っくきマンションの関係者と友達である、という事実を一遍に知ることになるのです。
その瞬間の信子さんの心中を想像すると……
ああ、なんという説話法的快感!
このシーンだけでも傑作と呼ぶに値します。
モヲタテキサイ界では「ブレーメン」を世代を越えて語り継ぐべき名作と評価する声もあり、私もそれを否定しませんが、しかしその「ブレーメン」にすら、ここまで練られた、コメディの快感の神髄を伝える重層的なシーンはなかったのでは?
短い時間の中で、ここまで複雑な人物の相関関係を描き込み、しかもまったく不自然さがない、というこのシーンは本当に素晴らしい。
観ながら、ニヤニヤ笑いを禁じることができませんでした。

(注:ただし、このドラマにも不自然さが皆無ではないですよ。例えば、結婚後5年も経っているのに、今の今まで、いずみの味覚音痴、料理下手、等などの特徴が義父に知られていなかった、という設定はさすがに不自然。正月に帰省して手伝いでもすれば、分かりそうなものですからね)

それと、西村家における嫁と姑の確執というテーマと、不動産屋と新興マンションとの確執というテーマはやはり一体のモノになってきました。無駄のない設定です。

今回光っていたのは、幸子さんの鬼義母である信子さん。
信子さんは、自分に心を開いてくれない、本音でぶつかってくれない嫁幸子のことを気に病んでいたのです。あの気性からいって、本気でぶつかってほしいし、日々口喧嘩とかしたい、と思っているようなのです。
ひたすら波風を立てないように気を遣って、本音を言うことを避ける嫁を不甲斐なく思っているのです。
そのことは幸子の夫も気づいていたのですが……気づいているならもっと前に言ってやれよ、と小一時間問い詰め……しまった、ついネット文体が(オモネリ部長かよ)……

まあ、とにかく、いずみの特攻精神に基づく介入がきっかけとなって、ぐずぐずしていた幸子さんもついに行動に出ます。家出です。やったね。
正直言って、この家出は、信子さんも内心喜んでいると思われます。これがきっかけになって、お互い思いの丈をぶちまけて、そうして、ようやくお互いに本音を言い合える「親子」になれるかも知れないんですからね。ってか、そうなるんですよね、きっと?
うーん、今週もいい仕事してるなあー、いずみちゃん。

ところで、義行の家出のほうは一体どのように解決するんでしょうかね。

2004/5/08(土) 愛の劇場「ほーむめーかー」#9 前世は海賊……

#10を見てから、#9のことを書くのは、ちょっといつもと勝手が違いますが。まあ、そんなことはどうでもいいやね。

#9は、割と中継ぎっぽい回でした。ま、そういうことだってある。でも、見どころは満載。

家出してきたお父さん義行に加え、友達の西村幸子さんまで家出してきちゃって、たいへんにぎやかなマイティタワー1805号室なんですが。
幸子さんは、忙しく立ち働いて、家事をてきぱきこなすのが習い性になっているので、なかなかのんびりしていられません。
で、夕飯を私が作ります、と買ってでるのですが、そこは、今料理にはまっている義行さんも譲りません。「私が」「いいや、私が」状態に。
そこで、第一回夕飯担当権争奪なぞなぞ大会がにぎにぎしく挙行される訳ですが……勝負事となると、ついつい本気を出してしまういずみ、「料理が得意な王様は?」というなぞなぞに「クッキングっ!」と正解して、うっかり夕飯担当権をゲット……してしまうんですよね。

で、その結果、みんなで外食することに。うーん、泣けるね、この展開。

そして、いずみが選んだ店は、五郎さんとお父さんの行きつけの居酒屋なんです。そこに連れていったら、幸子さんと五郎さんが御対面するかも、ってことを、どうやらいずみは予期していたらしく。ってか、それを期待してあの店を選んだんでしょうね。策士です。

すっかり酔っぱらった五郎さんは「一生足を踏み入れない」と誓っていたはずのマンションを訪れ、なんとそのまま山路宅に泊まっていくことに。
着々といずみ効果が周辺の人間を変えていきますね。
歯ブラシを買いに出たいずみは、缶ビールを持って信子さんを訪ねる、という気の使いよう。このあたりの気のきき方って、ほんとうに素晴らしい。
で、例によって、いずみと信子さんの丁々発止のやり合いが。この二人の掛け合いは見ていて本当に楽しいです。西村信子役の田岡美也子さん、いい感じです。

翌日は、幸子さんが家に帰ります。
五郎さんが忘れていったラクダの股引を、いずみが西村家に届ける、というエピソードは、翌日への重要な伏線。このとき、幸子さんは、いずみに「あがって、みたらし団子食べていって」の一言がどうしても言えません……

一方、いずみは、卵焼きの件でお義父さんと喧嘩。甘い卵焼きは苦手なのに、「美味しい」と嘘を言って食べたのは裏切りだ、と、いずみぶちギレ。あくまでも、遠慮のない家族関係を大切にしたいいずみです。

ふてくされた義行さんは、例の居酒屋で五郎ちゃんに愚痴り、いずみはいずみで、何と橘さん宅に上がり込んで、酒を(ビール4本も!)。 理恵さん、「何であんたがここで呑んでるのよ」と不審がりますが、いずみの答えは「だって、理恵さん酒豪でしょ。顔を見れば分かる。理恵さんは酒飲みの顔だっ」……いや、全然答えになってないし、決めつけてるしっ(笑)。
で、酔っぱらったいずみは、またまた、例によってお得意の前世話を……今回は「わたし秘密があるんです……これ理恵さんにだけ言うんですけど……実はわたし……前世、海賊」……って、くの一じゃなかったんかいっ?

*       *        *

えー、「前世は海賊」が、あんまり面白かったもんで、サイト名変えてみました。リンクしてくださっている皆様、アンテナに登録して下さっている皆様におかれましては、お手数ですがサイト名の変更をお願いします(ウソ)。
あっ、今回、「ほーむめーかーについて熱く語るつながり」ってことで、
MMGP-前世くノ一な主婦、山路いずみ応援サイト-(by真里さん)と相互リンクしてもらえることになったんですけど……前世は海賊になったみたいですよ……こちらもサイト名変更かな?←余計なお世話
ちなみに、こちらのサイトにおける、ウチのサイトのサイト名は、もちろん「昼ドラの新女王ゆゆたんのお部屋」ですっ! 間違っても「アイドルの脱紺築」とかじゃないですからっ(笑)

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#10については、明日中か、明後日の朝頃、書く予定です。じゃあまた。ぐっちゃー♪

2004/5/09(日) 愛の劇場「ほーむめーかー」#10 幸子さんはタンポポ

さて、めでたく第二週を終えました。今回も、後味のいい終り方でした。いずみ最高。幸子さんも最高。

昨夜帰ってこなかった義行は、ぎっくり腰で動けなくなって、救急車で病院に運ばれてしまっていたのでした。迷惑を掛けた、と謝る義行。どれだけ心配したか、と怒るいずみ。そこに、義行の妻、いずみのお義母さんである、園子(内田明里)が……
舞台をいずみの家に移して、最初は、義行と園子が夫婦喧嘩の原因のことでやり合っているのですが、いずみが口を挟んでいるうちに、「いずみvs義行」状態になり、さらに義行に園子が加勢して「いずみvs義行園子連合軍」となり、そのうち、場はすっかり義行と園子のおノロケを聴く場へと……しかし、いずみは、「卵焼き裏切り事件」を蒸し返し、さらに義行とやり合います……その丁々発止のやり取りを呆然と見ている幸子さん。明らかにカルチャーショックを受けています。本気でやりあうことで、かえってお互いの信頼が深まるのだ……と気付かされるのです。
そして、口喧嘩が盛り上がっているせいで、せっかく神戸から帰宅したのに、なかなか気づいて貰えない孝輔。このタイミングは絶妙。面白すぎ。たしかに帰ってくるとしたらこのタイミングしかないよね。

その日の昼食(?)は、山路義行園子夫婦、孝輔いずみ夫婦、その息子大輔、西村五郎、幸子、その娘美菜という大人数が、狭い部屋にみっしりと詰め込まれ、ヒザを付合わせて食べます。本当に楽しそう。こういう団欒って、今、なかなかないよね……孤食の時代だからねぇ……
で、ここでも「園子の辛い卵焼きvsいずみの甘い卵焼き」という小道具が絶妙の仕事をしてくれました。園子の辛い卵焼きを義行は「旨い」といい、大輔は「ママのほうが好き」といいます。いずみは大輔をたしなめますが、園子は「それでいいんだ。いずみさんにはいずみさんの味があるんだから」と、違いを認めてくれるのです。その様子に、更にカルチャーショックを受ける幸子さんです。

西村家の三人が、帰り際、川べりの土手を散歩するのですが、ここで、五郎さんが名台詞を。五郎さん、ただの酔っぱらいかと思いきや、ちゃーんと、嫁さんのことを見ていて、分かっているのでした。

その夜、パジャマ姿で並んでソファに腰かけ、仲睦まじく缶ビールを飲むいずみと孝輔。本当に幸せそうだ。ゆうちゃん、いい表情してるよ。可愛いよ。嫁さんが、こんな美人で可愛い人なら、そりゃ世界一の勝ち組って話だよなぁ、孝輔、えっ?
(独り言:これで、飲んでいるのがアサヒスーパードライじゃなくて、ヱビスだったら完璧なんですが……そこはそれ、大人の事情というものがあるので、我慢することにします。)
で、今日もキレた、ということで、飲みかけのビールを没収されるいずみなんですが……「没収されそうっ」と感じた瞬間にゴクゴクと飲み干しに掛かっているのが流石です。こういう状況に馴れています。歴戦の勇士って感じ?
あ、あと、あんまり仲睦まじくて腹が立つので、キレた日は、始末書+ビール禁止+夫婦生活禁止で!

翌朝。大輔と二人きりになり、寂しくなったいずみ。美菜ちゃんのために、折り紙をたくさん折った大輔を引き連れて、性懲りもなく西村宅へ向かいます。
待ってましたとばかりに、信子さんが出迎え、口喧嘩。とっとと帰った! と追い返しにかかります。
だがしかし!
幸子さんは、既に昨日までの幸子さんではないのでした!
「いずみさん、あがってお茶飲んでいって」と、その一言がようやく言えた、幸子さん。よかった!
勢いづいて、信子さんにこう宣言します。
「お母さんにも大切な友達がいるでしょう。ずっと羨ましいと思っていた。でも、私にもやっと大切だと思える友達が出来た。それがいずみさん。だから、これからもいずみさんとはお付き合いを続けていくし、美菜と大輔くんも遊ばせます」
やったよ! ついに言ったよ! カッコイイよ、幸子さん!
初めて反旗を翻した嫁に、口では「勝手にするがいい」とか憎まれ口を叩きながら、信子さんも内心、涙が出そうな程嬉しいのです。ようやく、本当にようやく嫁が心を開いてぶつかって来てくれたのですから。

「幸子さん、カッコよかったよ」と言ういずみに、幸子さんはいいます。
「わたし、信じることにしたの。わたしだって、きっと大丈夫だって。家族なんだから」
そうですよね。相手を信じることが出来れば、きっと大丈夫ですよね。信子さんと幸子さんはきっとお互い信頼し合える仲になることでしょう。よかった!

*       *        *

嫁と姑が心から理解し合えるなんて、絵空事だ、と感じる人も多いかとは思います。現実味がないって。
たしかに、今は実の親子でも心が断絶とか、当たり前の時代ですからねえ。
でも、だからこそ、こういう理想像を、希望とともに描いて見せることも大切なんじゃないかなあ、と思います。

(備考:)
希望の見えない時代に、真っ正面から希望を語ること。
これは、結構、「LOVEマシーン」に似ていると思います。
バブル経済が崩壊し、景気はどん底で、失われた10年とも呼ばれたあの時代。その末期に、「LOVEマシーン」という曲は登場したのでした。そこで、つんく♂は、まだ誰もがバブルの夢から醒め切っていないあの時代の日本に向けて、新しい時代を生き抜くための価値観「ださかっこいい」を提唱し、泥臭くても、田舎臭くても、クールじゃなくても、必死にひたむきに頑張ることが美しいんだ、それこそ、バブル崩壊後の日本のあるべき姿だ、ということを誰よりも先がけて、いちはやく宣言したのでした
……ちょっと話が「ほーむめーかー」から大きくそれちゃいました。ごめんなさい。
この「LOVEマシーン論」については、後日「失われた10年とつんく♂のパラダイムシフト」という文章にまとめる予定です。書く時期は未定です。誰か先に書かないようにっ!
「そんな文章なら、とっくにここで書かれているよ」というご指摘は、出来れば早めにお願いします。じゃないと書きはじめちゃうからっ。

第三週へ