La déconstruction des idoles ──アイドルの脱紺築

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感想日記 第一週

2004/4/27(火) 愛の劇場「ほーむめーかー」始動!

昨日26日。
待ちに待った
愛の劇場「ほーむめーかー」がついに始まりました。

いい。これはいい。
実質25分間のどこをとっても中澤裕子、中澤裕子一色のお昼時です。この夢の時間が6週間(全30回)も続くんですから。神様ありがとう。

朝は、はなまるマーケットにも出演して、自分のことを一杯語ってくれたゆうちゃん。こちらも、もうもうもうもう、可愛くて可愛くて。
おいらはゆうちゃんファン暦が短いので、ゆうちゃんについては知らないことだらけで、一つ一つ語ってくれるエピソードが楽しくて仕方ありません。
気をつかっちゃうから家に友達を呼ばないゆうちゃん。
電話がなっても、「長いなあ」とか言いつつ、切れるまでじっと見ているゆうちゃん。
スタジオの中ですら迷子になりマネージャーさんに電話して助けてもらうゆうちゃん。
「この切符でこの改札は通れるのか?」と悩んで、改札の前でじっと切符を睨んでいるゆうちゃん。
案の定、ビー、となってしまって、で、無意識にバーを押しわけて中に入ってから反省するゆうちゃん。
駅員さんに「この切符はねー、違うんだよー」と子供のように説明されるゆうちゃん。
35までに結婚出来なかったら、この先ずっと独りで生きていく覚悟を決めるために家を建てようと思っているゆうちゃん。いや、まだ4年もあるから。
加護ちゃんからもらった目覚まし時計を、洗面所で大切に使っているゆうちゃん。
加護ちゃんから「寝室で動物関係のものを使うと恋愛運に響く」とアドバイスされて、お気に入りの豹柄の毛布を使わなくなったゆうちゃん。
とにかく、ゆうちゃん。
ゆうちゃんが、可愛えぇ!

ほーむめーかーの撮影についても、現場がとっても楽しい、と言ってました。
「ドラマも見てほしいけど、是非現場に来て見てほしい、どんなにステキか」と力説するゆうちゃんです。いや、行けないから普通。
でも、出来上がったドラマ以上に、制作する裏側の素晴らしさを強調するところに、モーニング娘。で培われた何かがあるような気がしますね。

さて。
話を「ほーむめーかー」に戻すと、とにかくいい! 期待大!
明るくて元気で、コメディタッチ。テンポもよくて、設定も無理がない。
とにかくどこをとっても中澤裕子という金太郎飴状態で、よい。ドラマ初主演のゆうちゃんが、がんがん芝居を引っ張っている感じで、実に頼もしい。見ていて、余計な不安感がない。安心して話を楽しめます。演技上手だよ、ゆうちゃん。女優さんだよ。長い台詞も全然自然にこなせてて。

まあ、役柄の設定が、ゆうちゃんに実に有利、ということもある。
短気でキレやすい母親。まるで、「ハロモニ劇場」の延長線上にあるような性格なんで、やりやすいだろうな、と思う。
でも、それだけじゃない。子供と真剣に向き合っているいいお母さん、って雰囲気が自然に出せています。独身中澤裕子、なかなかやるな。

逆に、ちょっとだけ違和感を感じたのが、5年前の回想シーン。ダンナさんと結婚する前のラブラブデートの模様がちらっと回想されるんですが、そこでの演技が……いや、これはゆうちゃんは悪くない。ただ、おいらが、そういうふうに幸せそうにしているゆうちゃんを見たことがないから戸惑っているだけなんだと思います。
逆に違和感どころの騒ぎではないシーンが、オープニングの「三十路中澤が演じる山野いずみの女子高校生時代」の姿。こんなモン見せてくれちゃって、どうもありがとう。ってか、ごめんなさい。いや、何に謝っているのかよく分かりませんが。

いやー。いくら書いてもきりがないぞ、これ。
こんなことを30日も続けていられんぞ。
なので、ポイントだけ。

山路家は楽しい家庭。
母親と息子は日常全部をなんとかファイターという戦隊モノごっこをして暮している。お互いの呼び名は、「大輔隊員」「隊長」です。なんて子供思いのいいお母さんなんだ。おいらは同じ4歳の子を持つ親として自分が恥ずかしいよ。
いずみは「キレやすい性格」が玉に瑕なので、5年前にダンナとある約束をしたんですが、それは始末書を書くことと、キレたらその日は「ビール抜き」という約束。ビール抜きが一番キツい、という設定もゆうちゃんらしさ満点!
「ビールのない生活なんて、ちょんまげのない侍、マワシを締めわすれたお相撲さん……ってかありえないから」というようなセリフで。ね。ゆうちゃん本人が言ってるみたいだよね。
で、その5年前の約束が今だに遵守されている、というのもすごいんですが、始末書の鑑(書式)がちゃんと用意されている、というあたりも遊び心に溢れた素敵な家庭だと思います。あんなの、ワープロとかで作ってたらさー、作りながら夫婦で爆笑は必至。素敵な関係ですよー。

で、母親のキレた瞬間をすかさずデジカメで記録し証拠写真をものする息子もナイスです。この辺は、父親譲りなのかな。
そして、ビール抜きの約束なのに、朝になったら、ベッドの脇に空き缶(しかも350ml3本)が散乱している……ここはリアルだなあ。子供が寝入ってから宴会、というあたりは、子育てをやってみると分かるけど、本当にリアル。うちもそうだから(笑)。

話が前後しまくって申し訳ないけど、その引っ越し当日にキレた原因というのが、出前で頼んだおそばにネギが付いていなかった(実はちゃんとついていた)ということで、出前持ちの人に対して、キレまくるワケですが、その思いっきりキレている状態から、大輔がネギがあったよ、と持ってきて、で、あらー、となって態度急変いきなり「ネギの切り方がプロの仕事だわー」、と褒めまくる、という流れが実に素晴らしい。古典的と言えば古典落語なみに古典的だけど、それを見事に表現したゆうちゃんはさすがだと思いました。
ここを編集ナシで、1シーン1カットでやられたら、おいらは感動のあまり泣いたと思います。ここで。実際は編集入ってたわけですけど……

まあ、「ほーむめーかー」第一回ということで、嬉しさのあまり、うろたえまくった文章でごめんなさい。きっちり推敲して、冷静な文章なんて書けやしねーよ。まったく畜生め。

とにかくゆうちゃん最高! 山路いずみ可愛えぇ! ってことで。

あと、主題歌の「DO MY BEST」も実にいい曲。つんく♂さん、頑張った!
ゆうちゃんの曲としてはこれまでにない、明るくポップな曲調。この曲が貰えたことは、歌手ゆうちゃんにとっては大きな収穫じゃないかな。またソロツアーやってよね。
「がんばっちゃえ!」に似てる、という説もありますが、おいらはそうは感じなかったな。
ところどころ洒落た、最新鋭のコード進行が入っていたり、明るくほのぼのとした曲調だったり、おいらとしては、矢野顕子が映画「となりの山田くん」の主題歌として書いた「ひとりぼっちはやめた」を連想しました。

とにかく、これからが楽しみです。
そして、幸せと元気をありがとう。

2004/4/27(火)no.2 愛の劇場「ほーむめーかー」二回目も絶好調!

まったく不安げなく、気分爽快に快進撃のほーむめーかー。
昼ドラはB級とか、C級とか、そういう不安は一切無用でした。
とりあえず、中澤ファンなら必見。
ってか、
加減のりじょさんは必見!
録画は見ない、とか言ってないでさあー、そのこだわりを捨てて、見ましょうよ。ゆうちゃんの大活躍を。女優中澤頑張ってますよ。
(あ、見てたらごめんなさい)

二回目で、山路いずみちゃんの性格は、ますますはっきりして来ました。
朝は基本的に寝坊。
料理はヘタ。(納豆にハチミツ掛けて生クリーム乗せておやつです、ってあんた……)
味覚音痴らしい。
……味覚音痴はともかく、まさに中澤裕子な感じの山路いずみちゃんです。
(疑問:ところで、京都出身のゆうちゃん、納豆は食べられるのかな?)(その後ラジオで語っていましたが、納豆は大好き、とのことでした。'04/11/07追記)

そしていずみは、子供の目線で子供と対等に遊べる人です。
子供の想像力/創造力を伸ばしてやるための工夫は決して手を抜きません。
まさに「理想の親」ですわ。それをゆうちゃんが演じて違和感がない、というところがすごいと思いますね。

同じマンションのお母さん仲間たちから、母子家庭だと勘違いされていたり、イケメンの管理人さんと男女の仲を疑われたりいているいずみちゃんですが、そういうセクシーな含みのあるシチュエーションコメディーを、堂々と演じ切って躊躇いがないあたり、ゆうちゃんの年の功役者としての成長ぶりを伺わせます。

また、話の核心の一つであろうと思われるのが、橘の奥さんのこと。
どうも、家庭がぎくしゃくしており、娘の愛ちゃんも暗くなってしまっている橘家。心に言い知れぬ闇を抱えているらしい橘の奥さんに、いよいよ次回、いずみが迫ります。もっと後まで引っ張るかと思ったら、……さすが昼ドラは展開が早いなあ。
「ブレーメン」も相当にぎっしり感がありましたが、ほーむめーかーもなかなか。時間を無駄に垂れ流したりしないです。コンデンスド・ノヴェルに倣って、コンデンスド・ドラマとでも呼んでおきましょうか。

あ、あと、いずみのダンナさんは建築デザイナーで、かなり優秀な人らしいです。
腕を見込まれて、神戸支社に単身赴任中。
彼ののろけっぷりもなかなか堂に入ってます。
口さがない人は「舞台臭」とか言いますが、おいら的には全然気になりません。
気になるとしたら、ゆうちゃんの理想の男性像は「ジャンボ尾崎」さんみたいな頼れるパパで、このダンナさんは見た目は全然それらしくない、ってところ。ま、いずみとゆうちゃんは別人なんで、そんなこと気にするほうがおかしいですよね、ごめんなさい。
この二人の絡み(あー、ベッドシーンとかじゃないからね、念のため)、いちゃいちゃっぷりも、期待大。
滅多に観られない「可愛い女な裕子」が観られそう。わくわくわくわく。

2004/4/28(水)no.2 ほーむめーかー第三回 「あて書き」について

さて。ほーむめーかーが素晴らしすぎるおかげで、目標としている週一更新どころか、二日続けて一日二回更新の「アイ脱」です。読んでる人、ごめんなさい。
苦情は、演技が素晴らしすぎるゆうちゃんに言って下さい。なんてね。

それにしても、出ましたよ。
三回目にして、いずみは方向音痴であることが判明ですから。ますますゆうちゃんそのものではないですかっ!
こういう風に、演じる役者さんを想定して本を書くことを「あて書き」と呼びます。
三谷幸喜さんも得意とする手法です。(ex.「みんなのいえ」や「新撰組!」での田中邦衛さん、「ラジオの時間」での布施明さん、柄本明さん、おひょいさん、などなど……)
ハロプロ関連で言えば、「ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」も、基本的に同じような手法で書かれていましたね。役者の個性を役柄に反映させるという点でね。

さて。
大変好調といっていい滑り出しの「ほーむめーかー」です。
いや、おいらは視聴率とかは知りませんよ。自分で見ていて「いい」と思うだけです。で、ゆうちゃんの演技も評判はいいようです。おいらなんかは、こうして毎日絶賛してたりします。

でも。
好評をやっかんでか何か知りませんが、「中澤がソツなくこなせているのは、自分の性格そっくりの役だから」「ハロモニ劇場のまんま」なんて声もちらほらあるようです。
もちろん、おいらはそうは思いません。
「あて書き」は、決して演技力のなさを取り繕うものではないのです。
役者の個性を十分に活かして、役者を最大限輝かせようとする台本作家の気持ち。それはそのままドラマの出来にも反映して、結果としてドラマ自体を輝かせることになるのです。それが、「あて書き」の醍醐味ではないでしょうか。

そもそも、ドラマに出る熟練の役者さんといっても、役柄によって、喋り方から人格から何もかも変えられるような人は、そうは多くありません。有名なところでは、江守徹さんとか、大竹しのぶさんとかが、そういう役者さんだと言えるでしょう。こういう人たちは、あまりにも変装が巧みで何が自分の素顔か分からなくなってしまうアルセーヌ・ルパンみたいなものですから、台本を書く作家も「あて書き」をしようとは思わないでしょう。むしろ、どんな役を振っても、完璧に演じ切ってくれる、化けてくれる、という信頼感があるでしょう。

それとは対照的に、名優といわれる人でも、基本的に自分の個性というものがあって、どの役でも自分に引きつけて演じるタイプの役者さんもいます。むしろこちらのほうが多いような気がします。
田中邦衛さんも、ロバート・デ・ニーロも、緒方拳さんも、基本的にはそういう役者さんだと思います。そして、「あて書き」が決まったときには、絶大な効果を発揮してくれる名優さんです。

もちろんゆうちゃんは、女優としてのキャリアはまだまだこれからの人です。なんなら、駆け出しといってもいい。
「あて書き」に助けられている面も多々あるでしょう。
しかし、それだけではないのです。
たしかに、山路いずみは、朝寝坊とか、ビール大好きとか、料理が下手とか、キレやすいとか、方向音痴とか、まるで中澤裕子そのものであるかのような性格を与えられています。
でもそれは細かい味つけの部分であって、根本的な性格などは、必ずしも「あてて」いる訳ではないのです。
山路いずみは一児の母で、中澤裕子は独身。
ゆうちゃんはシャイで、どっちかというと臆病な人ですが(多分)、山路いずみは、どんどん人に関わっていって交流を深めることができるし、物怖じせずにすぐ人と仲良くできる外向的で明るい性格です。
その部分では、ゆうちゃんは、自分と違う境遇、性格をきちんと演じることができていると思います。

また、役者に求められる課題は、役柄をきちんと表現する、ということだけではないはずです。
もちろん基本は、役を適切に表現することですが、それにとどまらず、役柄を通して、役者本人も輝くこと、そして、役柄とも役者その人ともつかない「そこに生きている人」を魅力的に感じさせること。それが女優という存在の素晴らしさだと、おいらは思っています。

まだたった三回を見ただけですが、おいらは今まで見たこともない中澤裕子の魅力的な表情をいくつも見ることができました。
例えば、息子大輔に向ける、ふとした瞬間の笑顔です。母親が子供を愛おしく思い、幸せを感じた時に見せる笑顔。その限りない優しさ、魅力。中澤裕子はこんな表情が出来るんだ、と感動を覚えました。それは、おそらく中澤裕子が初めて見せる種類の笑顔だったと思います。

そこには「山路いずみ=中澤裕子」の魅力が、たしかに光り輝いていたのです。

すごいぜ、ゆうちゃん!

2004/4/30(金) 愛の劇場「ほーむめーかー」#4

■橘家の問題

橘理恵さんは娘愛ちゃんを愛しています。
でもそれは娘にうまく伝わっていません。
彼女はそのことで大きなストレスを抱えています。
そして、子供たちとのあいだに垣根を作ることなく仲良くできるいずみへの嫉妬からいずみに八つ当たりしてしまいます。

いずみは、橘の奥さんに「愛がこんなこと(失踪騒ぎ)をしでかしたのはあなたのせい」とか、自分から訪ねてきて愛ちゃんを探すのを手伝わせておきながら、見つかったら「これ以上かかわらないで」とか、なかなかヒドイことを言われるのですが、文句一つ言わないし、もちろんキレたりしません。エライです。ありえないくらい。まさにスーパーお母さん。

おいらなんかは、人間の器が小さいですから、こんなこと言われようものならブチッとキレまくりで、その人との関係はジ・エンドとなることでしょうね。いずみちゃんはエライよ。キレやすい、とか言いながら、こらえるべきところはちゃんと知っているいずみです。

丹羽雛子ちゃんもあり得ないくらいの出来すぎ人間、スーパー女の子でしたが、それに匹敵するスーパー母ちゃんぶりです。

話を橘さんに戻すと、彼女の問題の根本には、姑との不仲ということがあります。いやー、リアルですよね。この問題に悩んでいる奥さんは世界中に数え切れないくらいいるんじゃない?

姑との折り合いが悪いので、子供の教育に口出しされると、理恵さんは反発し、意固地になって、あえて言われたのとは逆のこと(自分でも思っていないようなこと)を自分の考えだと思いこんだりしてしまうのです。そして、自分に対して無理をして、その無理を娘にも押しつけてしまいます。
目の前の子供と向き合うことから教育方針が決まらなければいけないのに、理恵さんは姑と向き合ってしまっているのです。なんか、とっても不幸ですけど、理恵さんを笑えない親が現実にたくさんいるはずです。

子育てで、まず何よりも一番大切なことは何か?
これは自信を持って言い切れますが、両親が仲良くすることです。
パパとママが信頼し合っていること、そこに良好な人間関係があること。それが一番大切です。
それが、子供が人と関わっていくうえでの手本となり、自信につながっていくからです。

たまに(しょっちゅう?)夫婦喧嘩とかしていると、子供はそれを敏感に察知します。そして、「パパとママは大丈夫なのか」と心配し、自分も不安になります。そして、甘えたり、ぐずったり……が始まります。ここで、両親に子供をかまってやれる余裕がないと事態はさらに悪化して泥沼化していきます。

橘家は、その泥沼化が行き着く所まで行き着いてしまっています。愛ちゃんは母親に心を開こうとしなくなっています。悲しいですね。でも、決して他人事ではないんですよ。

愛ちゃんは、自分が感じているモヤモヤの原因をきちんと理解はしていないし、両親に「仲良くして」と、口ではうまく言えない。でも、必死で何かを訴えようとしています。その抵抗の現れが、例の秘密基地です。愛ちゃんだって、いずみと大輔みたいに、ママと仲良く一緒に遊びたいんです。それだけじゃなく、愛ちゃんは、パパとママに仲良くして貰いたいし、ママとおばあちゃんにも仲良くして貰いたいんです。だから、せっかく姑が送ってきたのに、物置にしまい込まれたままになっている二段ベッドに、あの秘密基地を作ったんです。

いずみが、橘家の姑が送ってきたかぼちゃを見て、「これで何か作ろうか」と言った時、愛ちゃんは黙って首を横に振ります。かぼちゃが嫌いなわけではなく、おばあちゃんが送ってきたかぼちゃをママが憎んでいることを知っているからです。それが食卓にのぼれば、ママがますます不機嫌になることを知っているからです。その愛ちゃんの気持ちを考えると、おいら、マジで泣きたくなりますよ。

舅とか姑とかとの人間関係って、ほんとうに難しいし、仲良くするのは言うほど簡単なことではないかもしれません。でも、子供のことを考えるのなら、まず何よりも大人同士が理解し合うことが必要なんです。どうしても必要なんです。

でも、大丈夫。
きっとスーパー母ちゃんいずみが何とかしてくれます。
だって、ゆうちゃんだから!
あー、最後でようやくモーヲタサイトらしくなったな。ほっと一安心。

*       *        *

■家族の愛を歌う歌

愛の劇場35周年のテーマは「家族のあり方を徹底的に追求する」というものです。

「ほーむめーかー」は、「家族とは」「親子とは」そして「家族の幸せってなんだろう」という普遍的な大テーマに真っ正面から挑んだドラマです。

主題歌「DO MY BEST」ももちろん、そのテーマにそった曲調、詞の内容になっています。家族の幸せのために一生懸命頑張って行こう、という前向きな歌です。

こういう、ちょっとテレ臭くて、普段なかなか口に出来ないような、でも心の中でみんなが思っていることをひたむきに表現する歌って、モーニング娘。の歌とも共通性がありますよね。

「父さん母さんありがとう」とか、「人生って素晴らしい」とか、「いつもありがとう」とか、まっすぐな気持ちを堂々と歌ってきたのがモーニング娘。ですから。

でも、「家族の愛を歌う」ことにかけての大先輩はやっぱり、矢野顕子さんだと思います。

名曲「BAKABON」は赤塚不二夫の名作「元祖天才バカボン」を題材に、お馬鹿だけど明るくて楽しい家族を描きます(「バカボンのパパ バカボンのママ 高められた幸せ」)。

矢野顕子が映画音楽を担当した「となりの山田くん」も、やはり同様に、お馬鹿で平凡で、でも仲がよくて幸せな家族を描いていました(「ひとりぼっちはやめた ほら 楽しい気持ちを分けてあげる」)。

あるいは、これまた名曲、母の気持ちを歌った「いいこ いいこ」です(「たまにね ほんとにたまにね お母さんも撫でられたい いいこ いいこ」)

私は、つんく♂さん、あるいは編曲者の鈴木俊介さんは、「家族の愛」をテーマとする楽曲を制作するにあたって、矢野顕子の音楽を参照したに違いない、と思っています。
コード進行だとか、音色の選択だとか、そういうこと以上に、もっと基本的で大切なこと、聴いていると、心がぽかぽかとあったかくなるような感じ、何よりもそこがよく似ていると思うのです。

2004/5/01(土) 愛の劇場「ほーむめーかー」#5

えー、いずみは大輔を母乳で育てたのかどうかという問題を考えると夜も眠れない痛井ッ亭。です。こんにちは。
といった割と深刻な問題冗談はさておき、いやー、5回目も素晴らしかったです。ほーむめーかー。
(ちなみに「一週5回で一話」という形式で進行するようです。次回からは新しい話に。)

とあるきっかけで、頭のねじが飛んでしまい、愛がつくった秘密基地をゴルフクラブで破壊する橘の奥さん。精神的に極度に不安定になっています。
その原因の根本は、姑が男孫を欲しがっていて、愛が生まれた時にはあからさまにがっかりした、というあたりにあります。二段ベッドを送ってきたのも「次は男の子を」と急かす意味だというのです。
これもまた、現実によくある深刻な問題で、悩んでいる嫁さんは全国にたくさんいることでしょう。それに、長男の嫁でありながら不妊症や不育症だったりする人も、さらに深刻な問題を抱えているでしょう。
リアルなドラマだなあ。
まあ、主人公いずみの完璧ぶりだけはあり得ないくらいで、それこそヒーローモノのヒーローみたいなものなんですが、直面する問題は実にリアルです。

で、情緒不安定な母親のもとには置いておけないと感じて、愛を一晩預かることにしたいずみ。
ベッドの中で愛はいずみに「ママどうして泣いてたの? 愛が悪いコだから?」と尋ねます。ママと約束したドリルを出来なかったことを気に病んでいるのです。
そして、それでも「おばちゃん、ママのこと嫌いにならない?」と、あくまで母親を気づかいます。あー、もう、泣きそうだよ。

ダメ押しは翌朝のカボチャプリンのくだり。いずみが愛に「愛ちゃんちのおばあちゃんが送ってくれたかぼちゃも、きっと美味しいよ」というと、愛は首を横に振って「愛にはおばあちゃんいないよ」と言うのです!
この発言を、のちに母親は「気をつかわせてしまって」と振返るのですが、これは気をつかうなんてレベルの話じゃないですよね。
本当はママもおばあちゃんもどちらも好きな愛。でも、母親はおばあちゃんを嫌っている。愛はそこで大きな矛盾に遭遇します。大人になれば、矛盾を矛盾のままに放置する術を身につけることもできますが、子供にはそんな器用な真似は出来ません。
ママが大好きな愛は「おばあちゃんが好きな自分」を否定します。そのためにおばあちゃんはいないことにするのです。自分の中で。そうやって、からくも自分の精神のバランスを保っているのです。これは辛いなあ……

いずみが愛を預かった翌朝。ようやく心を開いて自分の悩みをいずみに打ち明ける橘さん。その中で、「愛、きっと私のことを恨んでいるわね」と言ってしまいます。
それを聞いて黙っていられなくなったいずみは、自分の家に橘さんを連れていきます。
そして、愛が昨夜壁に書いた絵を、橘さんに見せます。
ママと愛が仲良く手をつないで笑っている絵です。

いずみ これ、見て下さい。
恨んでるワケないじゃないですか。
嫌いなワケない。
どんなことがあったって、愛ちゃんはママが好きなんです。
そんなことも分からないようじゃ、それこそ、母親失格です。
愛ちゃんはママに笑っていてほしいんです。
ママが好きだから。
ママにはいつも幸せでいてほしい、って思っているから。
橘さん わたしだって、愛には幸せでいてほしい。
いつも笑っていてほしい。でも……
いずみ そんなの簡単なことです。
ママが笑っていれば、愛ちゃんだって笑ってくれます。
簡単なことじゃないですか。

……このセリフは子育てというものの要諦の神髄を語ってます。
「いつも笑っていること」それは、実は決して簡単なことではないと思います。
子育てには数え切れないような難問があるものですし、心が押しつぶされそうになるストレスを抱えながら子供と向き合わざるを得ないお母さんだって多いはずです。
でも、だからこそ、難しいことだからこそ、「簡単だ」と言い切ってしまう覚悟が大切なんじゃないかな。そう思います。
またしても、親としての自分を深く反省させられる名文句です。
(実際、このドラマが始まってから、以前に増して子供に優しく接しようと努めています。影響されすぎ? でも、そういう、いい影響を与えることができるドラマって、やっぱり素晴らしいと思います)

いずみの大活躍があっても、橘家の抱えた問題は解決した訳ではありません。戦いは続きます。でも、今度は、お母さんと愛ちゃんが、手と手を取り合って、笑顔で、一緒に戦っていけるようになると思います。よかった。
エライぞ、いずみ!

あと、もう一つ大事なことが。
ゆうちゃん、笑顔になると、あひる口がとってもキュートだよっ!
これを言い忘れてはならない、と思いました。

おまけ。
オープニングで、「home-maker (名詞)専業主婦」というテロップが出るのですが、英語の語感に比べて、日本語の主婦って響きには、なんかこう、どんよりと意気阻喪させるものがありますよね。なんてゆうか、「家事労働者」みたいな?
ここは一つ、英語を直訳して「家庭を作り上げる人」と考えたいですね。そうすると、なんかこう、誇りを持って日常の家事や育児に取組めそうな気がしません?
誇りをもって皿洗い!
誇りをもっておむつ替え!
誇りをもって絵本を読む!!
ほら、なんかムクムクとやる気が……湧いて……来ませんかねえ……
いずみも頑張ってね、引っ越し荷物の整理。
でも六週目になっても、まだダンボールが部屋に散乱してたら、それはそれで面白いですけど(笑)。

第二週へ